一日にやる参考書と問題集の範囲を決め、終わるまでは絶対に寝なかった。勉強時間は一日二〇時間近い日もあったが、最初からそう決めていたわけじゃない。ふつうのヤツが三時間でこなせる量が、俺には二〇時間かかっただけのことだ。もちろん徹夜も当たり前だった。その日のノルマが終わらないうちに猛烈な睡魔に襲われると、俺は自分の手の甲に針を刺して、痛みで眠気を追い払った。一か月後、予備校での勉強の成果が出始めた。国語の偏差値が五二に上がった。そこから加速がつき、十二月の模擬試験ではなんと国語の偏差値は八六!全国で三位! 信じられないだろう?だが事実なんだ。そして俺は、第一志望の國學院、明治、立教と複数の大学の合格を手にした。〇・五あった視力は〇・一になっていた。体力も気力も限界ギリギリだった。